専用サーバー:Jitsi Meetのインストール
はじめに
Jitsi Meetはオープンソースのビデオ会議ソフトで、自分のサーバー上にビデオ会議環境を構築できます。Jitsi Meetの大きなメリットは操作の簡単さ。ブラウザだけで使え(スマホの場合はJitsiアプリ)、外部サービスへのログインも不要です。各ビデオ会議には専用のURLが割り当てられ、誰でも簡単に参加可能。ビデオ会議に慣れていない人とも気軽に使えるのが魅力です。
注意:特別な設定をしない限り、Jitsi Meetサーバーにアクセスした誰でも自分のビデオ会議を開始できてしまいます。
DebianサーバーへのJitsi Meetインストール
以下ではDebianサーバーにJitsi Meetサーバーをインストールする手順を紹介します。基本的にJitsi MeetはUbuntuなど他のLinuxサーバーでも動作し、インストール方法もほぼ同じです。
準備
Jitsi Meetを快適に使うには、自分のドメインでJitsiサーバーにアクセスするのがおすすめです。Jitsi Meetサーバー用にサブドメインを作成すると便利。例として「meet.zap-testdomain.de」というドメインを使います。
ZAP-Hostingのドメインの場合はDNS管理画面で新しいエントリを作成してください。
「名前」欄にサブドメイン名を、「値」欄にサーバーのIPアドレスを入力します。
例では「meet」を名前欄に、Jitsi MeetをインストールするZAPテストサーバーのIPアドレス「185.239.239.49」(実際は自分のサーバーのIPを入力)を値欄に入れます。
Jitsi MeetサーバーにはIPアドレスでもアクセス可能ですが、SSL証明書にはドメインが必要です。ドメインがないとブラウザでセキュリティ警告が出ます。
サブドメインの設定が反映されるまで最大24時間かかることがあります。設定が完了したらサーバーの準備に進みましょう。
PuttyやWinSCPでサーバーに接続します。
続ける前にサーバーが最新状態か確認してください。必要に応じてコマンドの前に「sudo」を付けて実行します(例:「sudo apt-get update」)。
$ apt-get update
$ apt-get upgrade
サーバーにファイアウォールが入っていなければ、例えばUFWをインストールしましょう:
$ apt install ufw
ファイアウォールに以下の設定を追加します:
$ ufw allow OpenSSH
$ ufw allow 80/tcp
$ ufw allow 443/tcp
$ ufw allow 4443/tcp
$ ufw allow 10000/udp
ファイアウォールを有効化:
$ ufw enable
状態を確認:
$ ufw status
Jitsi Meetのインストール
Jitsi Meetをインストールするには、まずgnupgパッケージが必要です:
$ apt install gnupg
パッケージインストール後、JitsiのGPGキーをダウンロードして追加します:
$ wget https://download.jitsi.org/jitsi-key.gpg.key
$ apt-key add jitsi-key.gpg.key
Jitsi Meetのリポジトリを追加します:
$ nano /etc/apt/sources.list.d/jitsi-stable.list
エディタに以下の行を追加し、保存して閉じます:
$ deb https://download.jitsi.org stable/
これでJitsi Meetをインストールできます。念のためパッケージを再度更新しましょう:
$ apt update
$ apt install jitsi-meet
インストール中にホスト名の入力を求められます。ここには作成したJitsi Meet用サブドメインを入力してください。
例のテストサーバーでは「meet.zap-testdomain.de」です。
「Ok」で確定すると、自己署名TLS証明書を作成するか既存の証明書を使うかの選択画面が出ます。
「新しい自己署名証明書を生成する」を選択してください。
これでJitsi Meetのインストールは完了し、あとはTLS証明書を取得するだけです。
Certbotパッケージをインストールします:
$ apt install certbot
TLS証明書取得用スクリプトを実行:
$ /usr/share/jitsi-meet/scripts/install-letsencrypt-cert.sh
実行中にletsencrypt.orgに送信するメールアドレスの入力を求められます。メールアドレスを入力して確定してください。
これでJitsi Meetがサーバーに完全にインストールされ、稼働しているはずです。
正しくインストールされたか確認するには、ブラウザのURLバーに設定したサブドメインを入力してアクセスしてみましょう。
このチュートリアルの例では以下のURLです:
https://meet.zap-testdomain.de
Jitsi Meetの画面が表示されれば、すぐに1回目のビデオ会議を始められます。